新型コロナウイルスの流行により消毒用アルコールが入手しづらくなり、次亜塩素酸水に注目が集まっています。

彩りの杜では2018年の開園時より園内で生成して使用していますが、園内で生成している次亜塩素酸水についてご紹介します。

園内では微量の精製塩や希塩酸の水溶液を電気分解することで得られる高い除菌効果を持った水を生成しています。

微酸性次亜塩素酸水は

• pH　5.0～6.5（7が中性、数字が小さくなると酸性が強くなる）
• 有効塩素濃度　10～30㎎/L

といった特徴のある水で、人の肌と同程度の酸性です。

また、次亜塩素酸の性質として有機物に触れると水とごく少量の塩などに分解されますので、人体にも環境にもとてもやさしい性質です。

臭いもほとんどなく、低い濃度でも十分な除菌効果があります。

微酸性次亜塩素酸水の効果に関しては新型コロナウイルスへの効果は疑問視されていますが、北海道大学の研究グループでの実験では次の結果が得られているようです。

• pH5.5、有効塩素濃度40ppmの微酸性次亜塩素酸水は新型コロナウイルスを30秒という短時間で不活化効果がある。

詳しくは【こちら】からもご確認いただけます。（外部サイトへのリンクです）

いろいろな大学、研究機関などで新型コロナウイルスに対する次亜塩素酸水の効果について検証されているようですが、他の検証でもpH5.0　49ppmでは20秒間で99.9％のウイルス減少が確認されていることから全く効果がないということはなさそうで、むしろ大いに効果があるがどのような条件でどの程度効果があるのかを調べているようです。

微酸性次亜塩素酸水の新型コロナウイルス以外に対する効果は以下のようになっています。

こちらにあるようにインフルエンザA型やノロウイルスといった細菌にもかなりの効果があります。

超音波式加湿器の中に次亜塩素酸水を入れて効果を検証した論文が【こちら】で発表されています。

黄色ブドウ球菌・大腸菌を51㎡の部屋内でどれくらい不活化させることが出来たかを検証する実験です。

どちらの菌も5ppmという低い濃度でも3分後には完全に殺菌することが出来ています。

次亜塩素酸水の利用が危険だというニュースを最近よく耳にしますが、北里大学で微酸性電解水を噴霧することによる健康被害があるかどうかをラットを対象にして試験したものがあります。

1. 実験方法
   2つの1.82㎡のビニールハウスの中央に超音波式噴霧器を設置し、一方は微酸性次亜塩素酸水（pH6.0±0.2、有効塩素濃度54±1ppm）、もう一方は水道水を噴霧した。
   それぞれのビニールハウス内には雄雌12匹ずつのラットを飼育し、1日6時間、週5日、2～4週間噴霧。
    
2. 検査方法
   一般状態の観察は毎日、体重測定は週2回、2・4週間後に尿や血液検査、解剖により臓器の検査なども実施。
    
3. 結果
   死亡するラットがいなかったのはもちろんのこと、一般状態に何ら変化は確認されず。
   体重変化・血液検査・尿検査などに関して4週間後でも水道水を噴霧したハウスにいたラットと有意差なし。
    
4. 考察
   通常10～30ppmで使用される次亜塩素酸水を安全性試験のため54ppmで使用したが、4週間噴霧後では水道水噴霧と比べて変化が見られなかった。
   超音波式加湿器では水容器内の微生物の増殖が問題となっているので、これを予防するために水の代わりに低濃度（10ppm程度）の微酸性電解水の使用は有用。
    

以上のように微酸性次亜塩素酸水は他の殺菌手段と比較しても安全な上に高い効果がありますので、彩りの杜では新型コロナウイルスへの対策だけでなく、インフルエンザやノロウイルスなど流行性のある感染症への対策も考慮して次亜塩素酸水の空間への噴霧やおもちゃの消毒、園内の清掃に利用していきます。